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しかし、甲・機両用教育を受けた船員が乗り組んでいる高度に近代化された船舶は少なくない。同国の外航船に占めるこの種の近代化船の割合は、1994年8月現在約1/4余りである。
英国の甲・機両用制度はトン数や航行区域に直接関係しないので、5,000総トン未満の船舶でも甲・機両用の船員が乗り組んでいるケースもある。同国では、将来はより小型の外航船、沿岸航路船、漁船等に甲・機両用制度の適用範囲を拡大することが検討されている。
在来船に比較した場合の近代化船の乗組員数は、在来船の職員7人、部員10人に対し、近代化船は職員6人、部員5人となっている。また乗組員の免状資格については、在来船、近代化船とも同じであるが、在来船の乗組員はSTCW条約の?U/2規則又は?U/4規則に定める要件を満たす資格証明書となっているのに対し、近代化船の乗組員については上記の在来船乗組員資格の他に特別の教育訓練(反対教育)を受けたものを配乗している。
また、船主の判断と責任において、在来船のみならず近代化船にも必要に応じて部員及び外国人船員に短期デュアル・パーパスのトレーニングを受けさせて配乗している。この必要に応じた短期の両用訓練はリバプールにある商船学校でよく行われている。なお、デュアル・パーパス・トレーニング・プログラムは交通省の担当部局の承認を受けなければならない。

 

?B陸上支援、その他
英国でも、近代化船に対する陸上支援体制はあるが、これについては交通省担当部局は勧告をするだけで、法的規制はなく、その実施は業界の裁量に委ねられている。
また、洋上メンテナンスの考え方もあるが、これも業界マターであり・実際にどのように行われているか現状は不明である。

 

(2)ノルウェー
?@部員の甲・機両用教育
ノルウェーでは、船舶職員については甲・機両用教育を行っていない。
しかし、部員に関しては”Ship’s Mechanic”と呼ばれる従来の”Ablesea−men”と”Motormen”にとって代わる甲板部と機関部双方の職務に従事できる資格を持つ熟練部員を養成する3カ年の教育訓練コース(海事系高校)が、同国の学校制度の中に組み込まれている。
このシップメカニックの職務は、次のような領域にわたる幅広いかっ多面的なものであり、この資格を得るために受けなければならないトレーニングに多くのものを要求している。すなわち、

 

 

 

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